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心を学び、剣道を学ぶ剣士となれ「剣心一致」

 

心を学び、剣道を学ぶ剣士となれ!

剣は心なり~「剣心一致」

『剣心一致』
剣は心なり
心正しからざれば剣又正しからず
剣を学ばんと欲すれば先ず心より学ぶべし

「剣心一致」を説いた島田虎之助の言葉です。

我が家の娘は、今でこそこの剣道の世界でお世話になっています。
ところが親の私達夫婦はというと剣道の経験はまったくありません。親がまったく知らなかった剣道。
そんな我が家と剣道との出会いについてのお話しです。

大阪から福岡へ!
私達家族は長年住み慣れた大阪の地から、遠く離れた九州の福岡に越してきた頃の事です。
我が家には三人の娘がいるのですが、当然ベタベタの関西育ち!
引越してきた当時は、長女が小4、次女小2、三女が年長さん・・・。
そんな娘たちに少しでも早く福岡の地に慣れさせてあげたいという思いから、「どうしたもんやろう?・・・」と思案していました。
そんな折、当時住んでいたお家のすぐ近所にちょっと目を引く建物がありました。
その建物の壁に掲げられた看板、というよりも壁面に直接描かれていた絵に目が留まったのです。 その看板には弓道と剣道、そして柔道、薙刀の絵が描かれているのです。
ということは、『こういう武道を教えていただける道場なんだ!』 『そうだ!あの子たち、弓道を習わせて躾と心身の鍛錬をさせよう!』と思いたったのです。

剣道をおやりなさい!
当時は本当にそんな想いから娘たちを連れて道場の門をたたいたのです。
そして道場を訪ねてみて、とても意外だったのは先生が女性だったということ。 しかも、どちらかといえば小柄なうえに、少々お年も召しておられるような・・・。
でも、正直なにかオーラというか、目の前におられるその小柄な先生から発せられるすごい存在感、といったらいいのでしょうか。
本当に勝手なイメージですが、こういった武道場の先生というとなんとなく、どしっと構えておられて、 しかも強面のおじさんで、・・・失礼ながらそんなイメージがありました。
でも、実は女性の先生だったことで少々ホッとしたというのが正直な気持ちでした。

早速先生に、我が家の三人娘に弓道を習わせたい旨をお話しました。
ところが、ところが、です・・・。
当時、娘達は上から9歳、7歳、5歳という年齢。それを聞いた先生、「その歳では、弓道はまだ出来ませんね。」 きっぱりと断られてしまったのです。が、間髪入れずに先生の口から、「剣道をおやりなさい!」の言葉が!!

あっというまに3人の娘達はその場で竹刀を持たされ、その日のうちに先生に向かって竹刀を打ちおろしていました。
先生の、見事なまでにさりげないアプローチ。 娘達はまんまと乗せられてしまい、思えばこの時から女流剣士(?)への道を歩み始めることに。

「籠手(こて)が入らない」事件?
剣道を知らない私たち家族は、ここから剣道の世界へ引き込まれることになったといえます。 とはいっても、最初の頃のかあさんは、もちろん父さんも単なる習い事のひとつとしてしか考えていませんでした。 それこそ、礼儀が身につけばいいと思っていました。
末娘はまだ保育園でしたので、剣道を習い始めてからのお迎えは保育園で剣道着に着替え、 そのまま直接道場へ直行するという毎日の始まりとなりました。
保育園に通う末娘は、お姉ちゃんたちに連れられて、ただなんとなく入門してしまっただけ。 ですから、道場に着いて剣道のお稽古が始まっても、「打たれるのがいやだ!」と、いっては面を着けさせず、 「籠手(こて)が入らない!!」といっては泣く、そんなことを繰り返していました。
自分が打たれるのも、人を打つのもいやだ!と言っては泣く我が子を見て情けなく、 まわりには迷惑ではないかと申し訳なく、このまま続けさせて本当にいいのだろうか? 今にして思えば、この時が最初に訪れた末娘の女流剣士への道に対する危機であったように思います。

そんな時、悩んでいた私に、同じ道場に通う高学年の子供たちのお母さん方が言ってくださった。 「うちの子もそうだったわ。」「今はお母さんも辛いでしょうけど、子供たちもがんばっているから見守っていきましょうね。」 そんなみなさんの温かいお言葉に、もう少し、あと少し、とにかく続けさせようと思ったのです。

し、しあい(試合)に出るの?
通っていた道場は毎日練習があります。また、年間にエントリーする試合も数多くあるため、 道場の子供達は必然的に試合に出る機会も多くなります。
ただ、出場できる人数に限りがある試合などは、やはり、強い子供達が試合の出場権を得ることになります。 ところが、娘達が剣道を習い始めた当時、この道場には女子が少なかったせいもあってか、 次女と長女は剣道を始めてまだ3ヶ月弱の時期に、なんと試合に出していただくことに!!しかも、団体戦と個人戦の両方!!!
団体は女子の3人団体で、次女が先鋒、長女が中堅だということでした。
親としては、そもそも剣道を習わせようと思った動機が動機なだけに「エッ?、試合に?、この子達が?・・まさか?」 考えてもみなかった、それこそ想定外の展開に親の方が右往左往。

情けない試合しやがって!
そして迎えた試合当日、・・・。
終わってみれば、・・・当然ながら結果は惨憺たるものでした。
先鋒と中堅の娘二人は惨敗。大将で出た上級生の子だけが勝ったのです。 かあさんは、大将の子に対してはもちろん、先生や同じ道場のみなさんに対して、「本当に本当に、大変申し訳ない・・・」 と思う気持ちで一杯でした。

ところが、父さんは違っていたのです。
あまりにもふがいない我が家の娘達の負けっぷりに、娘達よりも父さんのほうが頭に血が上り、くやしさ大爆発!!
試合が終わった帰り道に娘達に向かって、「なんちゅう情けない試合や!」 「おまえたち恥ずかしくないか!!情けない!・・どうせやるんやったら日本一を目指さんかえっ!!」 なんて言ってしまったのです!
そもそも剣道などやったこともないとうさんが・・・。
この瞬間でした。娘たちに剣道を習わせようと思った本来の目的意識に対して大幅な軌道修正がかかることになってしまったのは・・・。

島田虎之助先生の説く、『剣は心なり』・・・悲しいかな、この時点のとうさんの中には、 島田先生のこの言葉など、まるで存在していなかったようです。 とはいえ娘達にとってこの日は、まさに『運命を変えた一日』となってしまったのです。


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